九谷焼について｜オシャレな加賀の伝統工芸 | 富山県で美術品買取・ブランド品買取・金買取・骨董品買取、相談は骨董買取ラボへ

みなさんは「九谷焼」をご存じですか？

石川県 加賀地方（金沢市・小松市・加賀市・能美市）で生産される、日本を代表する陶磁器です。

今回は、世界中の人々を魅了する九谷焼についてご紹介したいと思います。

九谷焼の歴史

誕生～古九谷まで

九谷焼は江戸時代初期の１６５５年頃に誕生し、３６０年以上の歴史があります。

誕生のきっかけは、九谷（現在の石川県加賀市山中温泉九谷）の金山で磁器の原料となる陶石が発見されたこと。

加賀藩の分家である大聖寺藩の初代藩主・前田利治は、九谷を磁器の生産地にしようと思い立ち、藩士の後藤才次郎を肥前有田に派遣し、陶芸を学ばせました。

有田で製陶の技術を習得した才次郎が九谷に戻り窯を築き、これが九谷焼の始まりです。

藩の殖産政策としてスタートした九谷焼は、豪快で力強い下書きと上絵付の彩色が重厚で、独特な様式美を持っています。

この頃に作られた九谷焼は「古九谷」と呼ばれ、日本の絵付け磁器の代表として現在でも高い美術的価値を誇るのです。

九谷の窯は５０～６０年活動しましたが、１７００年代の初頭に突然閉じられてしまいます。

原因は大聖寺藩の財政難や藩主の代替わりによる政策の方針転換など諸説ありますが、明確な記録がないため未だに分かっていません。

再興九谷

古九谷の廃窯から約１００年後の江戸時代後期、加賀藩は九谷焼を再興するため、金沢に春日山窯を開きました。

その後、京都から招いた京焼の名工「青木木米」の技術指導により、加賀藩で数多くの窯が出現します。

春日山窯の木米風、古九谷の再興を目指した吉田屋窯、赤絵細描画の宮本屋窯、金襴手の永楽窯など、新たに作られた窯では、それぞれ個性豊かな画風が作り上げられ、九谷焼は見事に再興を果たしました。

この時期に作られた九谷焼は「再興九谷」と呼ばれています。

明治以降

明治時代以降は、窯元の職人が作家として名をあげ、輸出産業が盛んになった時期。

明治維新を境に、藩からの支援が受けられなくなった窯元は自力での経営を余儀なくされ、苦境に立たされました。

そこで窯元の職人たちは、作品の美的価値を高めることで「窯元の中の一職人」から「美術工芸品の作家」へと大きく変貌を遂げます。

また、九谷庄三の赤絵と金彩による精密な色絵付け（彩色金襴手）が有名となり、大量の九谷焼が海外へ輸出。

そのきっかけとなったのが明治６年（１８７３）のウィーン万博。

「ジャパンクタニ」として九谷焼の名が世界中に広がったのです。

九谷焼の特徴

　　　①鮮やかな色彩

九谷焼の最大の特徴は、上絵付けで使われる鮮やかな色彩。

上絵付けとは、本焼きした陶磁器の釉薬の上に顔料で紋様を描き、さらに焼き直す技法のこと。

熱を加えたことで、釉薬が流れてできた模様も作品の味となります。

上絵付けで使われる「赤・黄・緑・紫・紺青」の顔料は五彩手と呼ばれ、独特な重厚感を醸し出します。

色絵装飾の素晴らしさは、九谷焼に豪華で華麗な印象を与えてくれます。

　　　②大胆な絵柄

大胆かつ優美な絵図柄も九谷焼の大きな特徴です。

呉須 (ごす) とよばれる黒色の顔料で花鳥・山水・風物・人物などが繊細に描かれ、まるで絵画を見ているようです。

また、手描きとは思えないほど繊細な線で幾何学模様を描いた作品もあり、作風の幅の広さが九谷焼の魅力でもあります。

九谷焼の作風

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窯元によって作風が異なり、個性が豊かなことも九谷焼の魅力の１つ。

代表的な九谷焼の種類をご紹介します。

　　　古九谷（こくたに）

青（緑）・黄・赤・紫・紺青の五彩を用いて、草花山水を大胆な構図で描いたものが多い。

豪快で力強く、九谷焼の王道ともいえる作風です。

古九谷のおすすめサイト➡https://yamashiro-spa.or.jp/kokutani/

　　　木米（もくべい）

京焼の名工・青木木米の指導による、再興九谷の時代の作品です。

素地全面に赤を塗り、五彩を使って人物が描かれている中国風が特徴。

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吉田屋（よしだや）

古九谷の影響を受けた作風で、赤を使わず青（緑）・黄・紫・紺青の四彩を使う。

緻密な模様が描かれ、全面が塗り埋められており重厚な雰囲気です。

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　　　飯田屋（いいだや）

赤で丹念に描いた人物の周りを小紋で埋め尽くし、所々に金彩を加えた赤絵細密描画が特徴。

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　　　永楽（えいらく）

全面に赤で下塗りをした上に金彩で絵柄を描く「金襴手」という技法が使われています。

赤と金しか使われない、豪華絢爛な作風。

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　　　庄三（しょうざ）

すべての技法を取り入れ、花鳥人物山水を緻密に描いた「彩色金襴手」が施され、艶やかな作風。

和絵具に洋絵具を加えた和洋折衷です。

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まとめ

いかがでしたか？

今回は、九谷焼の歴史・特徴・作風についてご紹介しました。

九谷焼の魅力は何といっても

●ミステリアスな歴史や鮮やかな色彩と絵柄

●個性豊かな作風

ではないでしょうか。

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