2023.08.29

【作家紹介】⑦ 下保昭 ~富山が誇る独創的な水墨画家~

下保昭という日本画家をご存知ですか?

 

水墨画の静かな画面の中に力強く湧き出るような自然の力を

日本国内だけでなく中国の雄大な自然風景を題材に、中国の伝統的な水墨画と日本特有の画法を織り交ぜたスタイルを確立。高い評価を得た日本画家です。

今回は、富山県砺波市が生んだ画家、下保昭の魅力をご紹介します(^^)

 

下保昭の経歴

下保昭は1927年、富山県砺波市生まれ。

1946年の第1回富山県展にて富山市民賞を受賞。それがきっかけとなり日本画家である安嶋雨晶の紹介を受けて、1949年に青甲社に入社。そこで京都の画壇で活躍していた西山翠嶂に師事することになります。昭が22歳の年でした。

その後も破竹の勢いでその才能を開花させていきますが、1988年に日展を脱会、無所属となったのです。

※安嶋雨晶…やすじまうしょう 1907年(明治40年)~1965年(昭和48年)西山翠嶂に師事し、昭和5年青甲社へ入門。6年金城画壇出品、画壇賞受賞。以後京都市展、自由画壇展に入選・受賞した日本画家。

※西山翠嶂…にしやま すいしょう 1879年(明治12年)4月2日~1958年(昭和33年)3月30日)は、大正から昭和にかけて活躍した日本画家。没後、正三位勲二等旭日重光章が追贈された。

 

また、昭は私生活でも日本画に深く関わりがある生涯でした。

義理の父(妻の父)である小野竹喬(1889-1979)は、14歳で当時京都画壇を先導していた竹内栖鳳に入門。印象派以後の西洋美術に興味を持ち、中でもセザンヌに影響を受けました。昭の故郷である富山県を何度も訪れ、代表作「夏の五箇山」や「北国の田舎道(村道)」などの富山を題材にした作品をいくつも残した日本画家。

※竹内栖鳳…たけうち せいほう 1864年12月20日(元治元年11月22日)~ 1942年(昭和17年)8月23日)戦前の日本画家であり近代日本画の先駆者。画歴は半世紀にも及び、戦前の京都画壇を代表する巨匠。帝室技芸員。第1回文化勲章受章者。

 

画風はまったく異なりますが、風景画の制作に向ける情熱はどちらも引けを取らず刺激し合っていたのではないでしょうか。

素敵ですね(^^)

下保昭の日本画を高価買取しています

▲画像はイメージです

 

1927年 富山県砺波市神島に生まれる。

1949年 故西山翠嶂に師事する。

1950年 第6回日展《港が見える》初入選。

1954年 第10回日展《裏街》特選・白寿賞受賞。

1957年 第13回日展《火口原》特選・白寿賞受賞。
1961年 第4回新日展《沼》菊花賞受賞。
1967年 第10回新日展《遙》文部大臣賞受賞。

1970年には、43歳で日展評議員に選任される。
1982年 第14回日本芸術大賞受賞(近江八景の連作)
1985年 昭和59年度芸術選奨文部大臣賞受賞(水墨黄山の連作)
1988年 日展を脱退。一貫して山水を主題とする水墨画を追及する。
1990年 京都市文化功労者、第3回MOA展岡田茂吉大賞受賞。
1997年 京都美術文化賞(中信美術奨励基金)受賞。
2000年 北日本新聞文化賞。「日本の山水-下保昭展」(富山水墨美術館)
2001年 「下保昭展」(砺波市美術館)

2001年京都府文化賞特別功労賞。
2004年 旭日小綬賞受賞。

2018年8月7日、肺癌のため死去。享年91歳。

 

独創的な水墨画スタイルを確立

初期の下保昭は社会的なモチーフをメインにしていました。

1988年の日展脱会の少し前から水墨画に可能性と魅力を感じていた昭は、いざ脱会すると水墨画制作に没頭。山水をテーマに据えてその表現技法を追求していくこととなります。

中国の自然風景を題材にした中国山水シリーズは、壮大な自然界のあふれるエネルギーを描き切った「冰雪黄山」などの作品が人気です。

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▲画像はイメージです。

 

対して日本の山水シリーズでは「華厳」「黒部秘境」などの作品が有名。日本の山々が持つ、人を拒絶するようなどこか畏怖をも感じさせる雰囲気を水墨の濃淡で見事に表現しています。

一休禅師の言葉を座右の銘としていたという昭。

【 ⼼とはいかなるものを⾔ふならん墨絵に書きし松風の⾳ 】

 人の心がどういうものか、言葉ではうまく説明できない。

 できねいけれども、確かにある。

 墨絵に描く松風の音のように、実際には聞こえなくても目に見えなくても感じることはできる。

 

作品の中に風や匂い・温度・音など目には見えないものや聞こえないものを水墨画で表現しようと挑んでいた下保昭。

そこには自然に対する愛情だけでなく畏敬の念があったのかもしれません。

 

下保昭の作品

91年の生涯でたくさんの作品を描いた下保昭。

 

故郷である富山県の水墨美術館では「下保昭作品室(常設展示室)」を設け、約150点を収蔵。随時15点ほどが常設展示されています!

※青い文字の作品はクリックすると作品の画像を見ることができます(^^)

 

 

水墨美術館のほかにも富山県内の美術館、歴史館、博物館などで所蔵・展示されています。

気になる方はぜひ本物を観に足を運んでみてくださいね(^^)/

 

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