2023.09.15
酒器について|奥深くて楽しい世界!
皆さんは酒器、お好きですか?
酒器とはお酒を飲むための器であると同時に、お酒を楽しむときの雰囲気を何倍にも膨らましてくれる、とても重要なアクセントになります。
酒器に使われる素材ひとつでお酒を注いだときの色・味・香りさえ変わると言われるほど。
今回は酒器の種類や素材・技法など、その魅力を紹介します。奥深くて楽しい世界ですので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
1.酒器
それでは、まず酒器とはなにか?という定義と種類をご紹介します(^^)
酒器とは
酒器とはお酒を飲むときに使う容器の総称。
例えば、ビールならジョッキが酒器にあたりますね。
しかし酒器は本来【祭祀器】といい、祭りごとに使われていました。
※祖先や神をおまつりする儀式に使う器
祭祀器(さいしき)と聞くと神聖で堅いイメージがありますが、その種類はさ実にさまざま。
長い歴史のなかで庶民の生活に溶け込み、バラエティ豊かになっていったのです。
種類
それでは、酒器の種類を見てみましょう。
- ●お猪口(おちょこ)
- ●盃(さかずき)
- ●ぐい呑み(ぐいのみ)
- ●徳利(とっくり)
- ●お銚子(おちょうし)
- ●銚釐(ちろり)
●お猪口(おちょこ)
江戸時代から使われる一般的なお酒を飲む道具がお猪口。
子どもの手のひらに収まるサイズのため、お酒が入る量は30〜45㎖が一般的と、1~2口分ぐらいの容量しかありません。
しかし温度変化を受けにくいのが特徴のため、注ぎたてのベストな美味しさを堪能できます。
飲み口の形は円や四角・六角など豊富で、お銚子や徳利とセットで使われます。
ちなみにお猪口の語源は 「ちょっとしたもの」や「安直」の「直」が転じたものなど、さまざまな説があります(^^)
●盃(さかずき)
お猪口と比べて少し大きく浅い酒器です。
普段お酒を飲む以外にも賜杯(しはい)や賞品、お正月のお屠蘇(おとそ)や神前式の三々九度(さんさんくど)に使います。
※好成績や功労をねぎらい天皇から贈呈される盃のこと
本来は汁・飯用の器として使われていました。ちなみに古の中国では、武将が馬の上でお酒を飲むために作られた「馬上杯」というものが有名です。馬の上で飲むって…なんとも豪快!
●ぐい呑み(ぐいのみ)
お猪口よりもひと回り以上大きく(大人の手のひらサイズほど)しっかり深さがあるのが特徴。
本来は茶事の際、珍味などを入れる器として使われていましたが、次第に食べた後お酒を飲む器として用いられるようになりました。
※茶事:食事やお茶のお点前(おてまえ・茶をたてること)を含めた、フルコースの正式な茶会。知人だけを少人数招いて4時間以上かけてゆっくりと行われる。
飲み口が大きくお酒の香りが広がりやすいため、ぬる燗や常温にすると日本酒の香りをより一層感じられます。
こちらは「ぐいぐい呑む」「ぐいっと呑む」「ぐいっとつかんで飲む」などが語源と言われているんですよ!
いかにもお酒好きな雰囲気が漂いますね(^^)
●徳利(とっくり)
お酒をお猪口や盃などに注ぐための容器。
徳利は首の部分がキュッと締まっていて、胴体が膨らんだひょうたんのような形が印象的ですよね。
その語源は、お酒を注ぐときに聞こえてくる「とくりとくり」という心地よい音。
今では1~2合のお酒が入るサイズが一般的ですが、徳利が使われるようになった室町時代後半ごろは酢やしょうゆなどを保管したり、運搬したりする際に用いられていました。
名前については江戸時代のころから徳利と呼ばれ始めたよう。
酒屋では店名が書かれた徳利を貸し出し、客は酒を持ち帰る「通い徳利(どっくり)」という制度が広く親しまれていました。
よく漫画やアニメで見かける「男性が麻ひものついたお酒の壺のようなものから直接お酒を飲んでいる」描写。あれが通い徳利だと思われます。
酒屋さんのものを貸し出していたんですね!おもしろい!
●お銚子(おちょうし)
神前式の三々九度(さんさんくど)の際、盃にお酒を入れる道具で長い柄が付いているのが印象的な酒器です。
素材は木や金属・陶器製などさまざま。
現在はお正月のお屠蘇(おとそ)を飲むときも使います。
注ぎ口が1つのものを「片口(かたくち)」両側に2つあるものを「両口(りょうくち)」と呼ばれます。
●銚釐(ちろり)
銚釐は中国から伝わった酒器で、日本酒を燗で温めるために使われる取っ手と注ぎ口が付いた酒器のこと。
銅や錫(すず)アルミなどの熱が伝わりやすい金属素材が特徴。ちろりの語源にはいくつか謂れがあり、
・囲炉裏(地炉)の灰の中で日本酒を温めていたから「地炉裏」
・ちろりと短時間でお燗できることから「ちろり」
・注ぎ口からお酒を注ぐときに出る音から「ちろり」
・呑んべぇが待ちきれずに舌をちろりと出すから「ちろり」
など。なんだかずいぶん愉快な酒器ですね!ちろりで温めたら楽しい日本酒が飲めそうです(^^)
2.酒器の素材、いろいろ!
次は酒器の素材を見ていきましょう!
- ●ガラス
- ●錫(すず)
- ●陶磁器
- ●木
●ガラス
夏を想像させるような清涼感が特徴。
ガラス自体は無味無臭のため、日本酒が持つ色・味・香りなどのポテンシャルをそのまま引き出してくれます。
おそらく酒器の素材のなかで1番、お酒の繊細さを楽しめるのではないでしょうか。
ガラスと日本酒を光に透かして眺めるのもまた一興。江戸切子のお猪口なんていうのもいいですね!
●錫(すず)
錫はお酒の雑味であるフーゼル油を分解して、味をまろやかにするということが科学的に証明されています。 口に含んだとき甘みが増したと感じる人もいるのだとか!
抗菌作用に優れサビ予防も期待できますが、保温性は劣るため燗酒を飲むときは小さめのサイズがおすすめです。
●陶磁器
陶器はふちが厚く口当たりが柔らかいのが特徴。コクの深い日本酒を飲むときに使いたい酒器です。これは陶器が粘土で作られているため日本酒ともよく馴染むのではないでしょうか?
磁器に比べると陶器の方がより甘く丸い味になる傾向があるそうですよ。
反対に磁器はスッキリとした口当たり。
石の粉を原料とする磁器は焼くとに半ガラス質になるため、陶器よりも熱が伝わりやすく、燗酒にしたときにお酒の温度をダイレクトに伝えてくれます。
陶器と磁器。似ていますがちょっと違う面白さですね。ちなみにお猪口の裏を見ると銘や脚の形なども楽しめますよ~♪
●木
木製の酒器は木の香りでお酒をよりマイルドにして、口当たりの強い日本酒も飲みやすくしてくれる効果が期待できます。
一般的に厚みがあり、木の香りがほんのりと漂って、お酒の味をよりふくよかにしてくれます。
自然素材ならではのソフトな口当たりも魅力です。
う~ん、飲みたくなってきましたよ(^^;)
特別な金杯・銀杯
酒器の中でもひときわ目をひくのが金杯と銀杯。
好成績や功労をねぎらい贈呈されるもので、王室や皇室からの贈呈品は賜杯とも呼ばれます。 なかには長寿や戦争での功績をたたえ、紋章や造幣局の刻印などが施されたものも!
ちなみに金や銀はそのときの相場で買取金額が前後します。
有名作家の作品かどうかは関係なく、金と銀の質・重さで価値が決まるのです。
そのため汚れがあっても付属の箱がなくても、純金や純銀でならば高価買取額になる可能性があります!
金買い取りについて詳しくはコチラをご覧ください。
3.酒器のここがおもしろい!
酒器にはさまざまな技法が使われています。
その一部を紹介しましょう。色々な楽しみ方があるんですよ(^^)
技法
酒器に使われる技法には次のようなものがあります。
- 水泡(すいほう):水の中でブクブクした泡のような模様がかわいらしくもあり幻想的
- 金箔(きんぱく):金をわずかな銅や銀と一緒に金槌で叩いて薄く伸ばし箔状にしたデザインで、自然なヒビをあえて作ったおしゃれなデザインもある
- 巻胎技法(けんたいぎほう): 薄く長い素材をぐるぐる巻き、木の年輪のような模様を作る技法。木が使われることが多い
- 窯変(ようへん): 窯で焼いているときに突発的に起きる色の変化。「火変わり」とも呼ばれ、オリジナリティ溢れる質感や色合いが特徴
- 蛍手(ほたるで): 表から裏まで彫刻を施して、空いた空間に透明釉(とうめいゆう)を入れ焼くと、そこから光が差して模様が浮かび上がる。ステンドグラスのような美しさが楽しめる
自分好みの技法が使われた酒器を、少しずつコレクションするも長く楽しめそうです♪
楽しみ方
酒器には本当にたくさんの楽しみ方があります。
例えば徳利なら、キュッとした首のくびれから胴体に向けて大きな膨らみがあって、その曲線美が本当に素敵。
首のくびれをお酒が通るときに「こっこっこっこ」という心地よい音を奏で、見た目だけではなく耳でも楽しめます。
また盃やお猪口なら上から見た盃の底の模様を眺めたり、見込み(お酒を注ぐとき斜めにみたところ)といい、お酒が注がれるさまをうっとり見つめるのも乙なもの。
お酒が入る前と後で、酒器の色味や雰囲気が違って見えるのも醍醐味ではないでしょうか?
なお、日本では経年劣化によって表面にできる小さな穴の周りのシミを「雨漏り」と呼び、長く(たくさん)使われた良い品とする傾向があります。
ずっとキレイなままのも素敵ですが、人が年を重ね老いるように自然なほころびに美しさを見出し、良しとするところに趣がありますね。
4.酒器の仲間
酒器をサポートする仲間も紹介しましょう。
盃洗
盃洗(はいせん)は、盃を洗うための水を入れる器。
江戸時代は1つの盃で酒を飲み交わすことが主流だったため、次の人に渡す前にすすぐ必要がありました。
最初は大きなどんぶりや鉢で洗っていましたが、お米を使う清酒を大切に扱う気持ちから、徐々に盃をすすぐ専用の器「盃洗」へと移行したのです。
さらに盃洗でも脚のついたものや丁寧に施された絵付け・デザイン性などから、現代では室内インテリアや花を生ける花器として使うのなど面白い楽しみ方がされているとか。
お酒とお花、風情があっていいですね!
5.絵画・酒器の買取は骨董買取ラボへ!
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