2022.02.15

おしゃれ!? 人気の伝統工芸 九谷焼について

みなさんは「九谷焼」をご存じでしょうか。

石川県の加賀地方(金沢市・小松市・加賀市・能美市)で生産されている、日本を代表する陶磁器です。

今回は、世界中の人々を魅了する九谷焼についてご紹介したいと思います。

九谷焼の歴史

誕生から古九谷

九谷焼は、江戸時代初期の1655年頃に誕生し、360年以上の歴史があります。

誕生のきっかけは、九谷(現在の石川県加賀市山中温泉九谷町)の金山で磁器の原料となる陶石が発見されたことです。

加賀藩の分家である大聖寺藩の初代藩主・前田利治は、九谷を磁器の生産地にしようと思い立ち、藩士の後藤才次郎を肥前有田に派遣し、陶芸を学ばせました。

有田で製陶の技術を習得した才次郎は、九谷に戻り窯を築きました。これが九谷焼の始まりです。

藩の殖産政策としてスタートした九谷焼は、豪快で力強い下書きと上絵付の彩色が重厚で、独特な様式美を持っています。

この頃に作られた九谷焼は「古九谷」と呼ばれ、日本の絵付け磁器の代表として現在でも高い美術的価値を誇っています。

九谷の窯は5060年活動しましたが、1700年代の初頭に突然閉じられてしまいました。原因は、大聖寺藩の財政難や藩主の代替わりによる政策の方針転換といった説がありますが、明確な記録がないため未だにわかっていません。

再興九谷

古九谷の廃窯から約100年後の江戸時代後期、加賀藩は九谷焼を再興するため、金沢に春日山窯を開きました。

京都から招いた京焼の名工、青木木米の技術指導により、加賀藩で数多くの窯が出現します。

春日山窯の木米風、古九谷の再興を目指した吉田屋窯、赤絵細描画の宮本屋窯、金襴手の永楽窯など、新たに作られた窯では、それぞれ個性豊かな画風が作り上げられ、九谷焼は見事に再興を果たしました。

この時期に作られた九谷焼は「再興九谷」と呼ばれています。

明治以降

明治時代以降は、窯元の職人が作家として名をあげ、輸出産業が盛んになった時期です。

明治維新を境に藩からの支援が受けられなくなった窯元は、自力での経営を余儀なくされ、苦しい状況でした。

窯元の職人たちは作品の美的価値を高めることで「窯元の中の一職人」から「美術工芸品の作家」へと大きく様変わりしました。

また、九谷庄三の赤絵と金彩による精密な色絵付け(彩色金襴手)が有名となり、大量の九谷焼が海外に輸出されました。

そのきっかけとなったのが明治6(1873)のウィーン万博です。「ジャパンクタニ」として九谷焼の名が世界中に広まりました。

九谷焼の特徴

①鮮やかな色彩

九谷焼の最大の特徴は、上絵付けで使われる鮮やかな色彩。

上絵付けとは、本焼きした陶磁器の釉薬の上に顔料で紋様を描き、さらに焼き直す技法のことです。

熱を加えたことで流れてできた模様も作品の味となります。

上絵付けで使われる「赤・黄・緑・紫・紺青」の顔料は五彩手と呼ばれ、独特な重厚感を醸し出します。

色絵装飾の素晴らしさは、九谷焼に豪華で華麗な印象を与えてくれます。

②大胆な絵柄

大胆かつ優美な絵図柄も九谷焼の大きな特徴です。

呉須 (ごす) とよばれる黒色の顔料で花鳥・山水・風物・人物などが繊細に描かれ、まるで絵画を見ているようです。

また、手描きとは思えないほど繊細な線で幾何学模様を描いた作品もあり、作風の幅の広さが九谷焼の魅力でもあります。

九谷焼の作風

窯元によって作風が違って個性豊かなことも九谷焼の魅力の1つです。

代表的な九谷焼の種類をご紹介します。

古九谷(こくたに)

青(緑)・黄・赤・紫・紺青の五彩を用いて、草花山水を大胆な構図で描いたものが多いです。

豪快で力強く、九谷焼の王道ともいえる作風です。

木米(もくべい)

京焼の名工・青木木米の指導による、再興九谷の時代の作品です。

素地全面に赤を塗り、五彩を使って人物が描かれている中国風の画風です。

吉田屋(よしだや)

古九谷の影響を受けた作風で、赤を使わず青(緑)・黄・紫・紺青の四彩を使っています。緻密な模様が描かれ、全面が塗り埋められて重厚な雰囲気です。

飯田屋(いいだや)

赤で丹念に描いた人物の周りを小紋で埋め尽くし、所々に金彩を加えた赤絵細密描画です。

永楽(えいらく)

全面に赤で下塗りをした上に金彩で絵柄を描く「金襴手」という技法が使われています。赤と金しか使われておらず、豪華絢爛な作風です。

庄三(しょうざ)

すべての技法を取り入れ、花鳥人物山水を緻密に描いた「彩色金襴手」が施され、豪華な作風。和絵具に洋絵具を加えた和洋折衷です。

まとめ

今回は、九谷焼の歴史と特徴、作風についてご紹介いたしました。

九谷焼の魅力は、ミステリアスな歴史や鮮やかな色彩と絵柄、個性豊かな作風と言えるのではないでしょうか。

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