2022.05.01

【煎茶道具買取】売る時にチェックしたいポイントとは?買取業者もご紹介!

祖父や祖母の趣味であった煎茶道具。

遺品整理の時や、蔵や倉庫から古い煎茶道具が出てきた。

「有名作家のものは高値で売れるらしい。」と、聞いたことがあるけど。。。

 

日本人には馴染みの多い日本茶ですが、「煎茶道」ってご存知でしょうか?

 

茶道と同じように、日本の伝統文化である「煎茶道」。

 

煎茶道具は数多くあり、素人ではなかなか価値がわからないものです。

高値で売れるかもしれないその煎茶道具を処分する前に、

・煎茶道のこと

・売る時のポイント

・買取業者の選び方

をこの記事でチェックしてみてください。

「煎茶道」と「茶道」

日本の伝統文化「茶道」には「抹茶道」と「煎茶道」の二つの種類があります。

一般的に茶道と聞いて想像されるのは、粉末の茶である”抹茶”を点てる「抹茶道」ではないでしょうか。

「煎茶道」とは、煎茶や玉露などの茶葉を使い急須で蒸らしてお茶を点てる「茶道」の一種なのです。

煎茶道と抹茶道の成り立ち

日本に茶道が広まったのは、鎌倉時代に栄西という禅僧が中国から茶を持ってきたのが始まりとされています。

 

室町時代には臨済禅宗の僧侶である村田珠光が亭主と客との精神交流を重視する茶会「わび茶」を始めます。わび茶はその後、武野紹鴎によって磨き上げられていき、安土桃山時代に千利休によって現代の茶道が完成されます。茶道は主に武家社会の教養として浸透していきました。

 

一方、「煎茶道」は江戸時代初期に黄檗宗の開祖、隠元禅師が中国から日本に伝えたとされています。

 

当時の茶道は、武家の教養としての凝り固まった作法に対して、町衆から反発がありました。そんな中、煎茶を通じて煎茶道の精神や基礎を作った人物が売茶翁です。

 

「茶の湯」が侘びを重んじたのに対して、「煎茶道」は型や物にはまらない自由な精神や風流を重んじます。そんな、煎茶を味わいながら人との対話や書画を楽しむ.「煎茶趣味」が文人墨客の間に急速に広まりました。

 

煎茶道を好んだ文人には池大雅・石川丈山・上田秋成・頼山陽などが挙げられ、お互いに刺激をし合いながら文人煎茶のスタイルが形成されていきました。

煎茶道には数多くの流派が存在し、家元で有名なものには小川流・花月菴流・黄檗掬泉流、小笠原流など31の流派が全日本煎茶道連盟に加盟しています。

煎茶と玉露の違い

日本人にとって身近な飲み物である日本茶ですが、煎茶と玉露の違いについては、案外知らない方が多いのではないでしょうか。

煎茶道では煎茶と玉露の違いで、道具も異なります。

煎茶と玉露の特徴

煎茶

煎茶は新芽が出てから摘み取りまで、ずっと日光を浴びせて育てた緑茶のことです。

茶葉は日光を浴びると光合成が行われ、渋み成分やカテキンが増加します。

そのため、程よい渋みと爽やかな香り、すっきりとした味わいのお茶になります。

 

玉露

玉露は早ければ新芽が出始めたら、もしくは茶摘みの約三週間前から日光を遮って育てる緑茶のことです。日光を遮ることで、カテキンの増加を抑えて旨味成分が増します。

そのため、遮光栽培独自の覆い香があり、強い旨味とコクのあるお茶に仕上がります。

煎茶と玉露での道具の違い

煎茶と玉露では、淹れる時の温度・茶葉の量・淹れる時間が違うため、道具にも違いが出てきます。

 

玉露は60℃程度の低温のお湯で淹れるので、玉露用の道具には「湯冷まし」と呼ばれる、沸かした湯を適度な温度に下げるためのものがあります。また、宝瓶と呼ばれる取っ手のない急須も玉露用の道具です。

 

では次に、煎茶道で使われる道具には、どのようなものがあるのかをご紹介します。

煎茶道の道具の種類

煎茶道では、淹れるお茶や流派によって道具の種類や名称も変わってきます。同じ道具であっても、流派によって呼び名が違う場合が数多くあり、逆に名前が同じであっても、流派によって別の道具を指す場合もあります。

 

ここでは、一般的に呼ばれる名前を基本としてご紹介します。

 

【急須】

急須は茶葉やお湯を淹れて注ぐための茶道具です。

素材は陶磁器製のものがほとんどで、釉薬のかかったものや染付や絵付けがされているものが多いです。

急須は煎茶道具の中でも重要なものであり、古来数々の名品といわれるものがあります。

 

煎茶道は中国の文人文化を中心に広まりをみせていったことから、今でも中国の宜興窯の朱泥や紫泥の急須が煎茶道具として人気があります。

 

日本のものでは、常滑焼・備前焼・萬古焼・楽山焼・などの作家物急須は買取の際に高値が期待できます。

 

煎茶道具の急須は取っ手の位置によって以下の4つの種類があり、淹れるお茶の温度などによって使い分けます。

 

・横手型急須

注ぎ口とほぼ直角に持ち手があるタイプです。日本茶用の急須として最も一般的な形です。お茶を注ぐ際、片手で蓋を抑えることができるのが特徴です。

 

・後手型急須

持ち手が注ぎ口と対角線状の反対側についているタイプです。

中国や欧米では後手型急須 が一般的です。

 

・上手型急須

持ち手が急須の上についているタイプです。ほうじ茶や番茶など、淹れる温度が高温で湯の量をあまり気にしなくても良いお茶に用いられます。

 

・宝瓶  

宝瓶は持ち手の付いていない急須です。小さなサイズのものが多く、玉露や上煎茶などの低温で淹れるお茶に適しています。

 

【煎茶碗】

煎茶では小振りな茶碗が用いられます。お茶の色がよくわかるように、茶碗の中は白いものが多いです。茶碗の大きさがより小さいものが玉露用、大きめなものが煎茶用です。茶碗も急須とともに重要視されていて、古染付といわれるものが珍重されています。

 

【茶托】

茶托は茶碗の下に敷く受け皿です。

錫製・金製・銀製・銅製・木製・など様々な素材があります。金製や銀製のものは貴金属的な価値がありますが、木製のものでも輪島塗や鎌倉彫などの工芸品は高値になる可能性があります。

 

【湯冷まし】

玉露を淹れるには湯を冷ます必要があるので、適温まで冷ますために用いられる器です。

 

【水注】

煎茶のお点前に必要な水を入れておくための器です。茶碗、湯冷ましの洗浄や急須の補給用に用いられます。

 

【涼炉】

湯を沸かすための小型コンロのようなものです。火を入れる道具なため破損することが多く、古いものが残っていれば高価になる可能性があります。

 

【ボーフラ】

急須の形をした素焼きの器です。火にかけて湯を沸かす際に用いられます。

茶道では、釜や鉄瓶などの金属製の湯沸かしを使用することがほとんどです。しかし、煎茶道では「金属製の湯沸かしは茶の味が壊れる」として、極力避ける傾向にありボーフラや土瓶を使用します。

 

ボーフラも中国伝来の道具で、明・清時代に渡来した伝世品は珍重されています。特に、文政年間に輸入された「文政渡」は非常に薄く作られ、表面は素焼きとは思えないほど艶があり珍品とされています。

煎茶道具を高く売るためのポイント

煎茶道具は作られた年代や製作者、素材によって査定額に差がつきます。

以下のポイントに気をつけて買取依頼をしてみてください。

入手経路を伝える

煎茶道具は作られた年代や来歴によって買取価格に大きな差が出ます。

 

・購入された時期や金額

・いつ頃から家にあるのか

・どこで手に入れたものか

・どこの地域で購入されたか

・誰から購入したのか

などの情報はとても重要です。査定の時に伝えるようにしてください。

有名作家の作品か

煎茶道具は「誰の作品か」がとても重要なポイントです。

様々な分野で功績を収めた北大路魯山人、備前焼で人間国宝となった金重陶陽、代々楽焼を作り続けている樂吉左衛門、そのほか三輪休雪(萩焼)・濱田庄司(益子焼)・板谷波山・富本憲吉など、有名作家の作品は高価買取の重要ポイントとなります。

 

しかし、有名作家の作品は贋作(偽物やコピー)も多く出回っています。買取の際にはしっかりとした鑑定士に査定してもらいましょう。

付属品は揃っているか

付属品が揃っていると買取価格は大きくアップします。

有名作家の作品や、高級な煎茶道具には桐箱などの立派な箱がついていることが多いです。

共箱・栞・由来書・手紙などの付属品は査定額に大きな差が出ます。共箱・信頼できる鑑定機関の鑑定書は、真贋の鑑定や買取の評価対象になります。付属品がある場合には大切に保存しておきましょう。

 

中国伝来の煎茶道具には作家の共箱は元々ありませんので、収めている箱の時代と箱書きが査定ポイントになります。

そのままの状態で買取査定をしてもらう

作品が欠けていたり、ひび割れなどの傷みがあっても、そのままにしておきましょう。自分で修理をしようとすると、かえって価値が下がってしまいます。

 

専門の修理業者に依頼する方法もありますが、買取価格より修理代金の方が上回ってしまうこともあります。そのままの状態で買取査定をしてもらうことをおすすめします。

単品よりもセットで高評価に

急須・煎茶碗・湯冷ましなど、それぞれ個々の道具よりも、同一素材のセットで揃っていると査定は高評価になることが多いです。

売ろうと考えたら、早めに査定をしてもらう

放置すればする程、経年劣化してしまいます。「売ろうかなぁ」と考えたら、早めに査定をしてもらうことが高価買取のポイントです。

 

では、買取業者の選び方をご紹介します。

煎茶道具の買取業者の選び方

煎茶道具は種類が多いため、煎茶道の経験や専門知識がない場合、その価値を見極めるのは困難です。

 

もしかしたら、高値が付くかもしれない品をうっかり処分してしまったり、低価格で売りに出してしまう恐れがあります。ぜひ、その前に買取業者へ依頼してみましょう。

骨董品専門の業者に依頼する

近頃はネットオークションやフリマアプリなど、ご自身で売りに出す方も増えているようです。しかし、個人取引の為にトラブルになるケースが少なくありません。

 

また、リサイクルショップも数多くありますが、価値あるものを安く売ってしまわないように骨董品専門の買取業者に依頼することをおすすめします。

 

煎茶道具は骨董品との関わりが深く、重なる分野が多くあります。しっかりとした鑑定士に査定してもらい、買取をしてもらいましょう。

・出張買取をしてくれる買取業者

煎茶道具は繊細な道具です。持ち運びの際に破損してしまっては元も子もありません。

また、査定はしてもらったけど買取を依頼せず持ち帰る際にも気を使う作業です。

・高価買取が可能な買取業者

品物をしっかりと査定してくれるのはもちろんですが、業者によって買取金額は異なります。販売ルートを多く持っている買取業者は高価買取をしてもらえる可能性が高くなります。

 

骨董買取ラボならしっかりとした鑑定士が多数在籍しており、最短即日訪問が可能です。買取方法は、作業後に基本即日現金買取をしているので安心です。

 

なお、インターネットでの販売・コレクター様へのご紹介・全国の美術品交換会・催事の出店・海外バイヤーとの繋がりなど幅広い販売ルートを持っています。

さらに自社オークション運営も行っているため、他社より高く買い取りすることが可能です。

まとめ

煎茶道は江戸時代から続く日本の伝統文化です。

そのため名品逸品も数多くあり、あなたがお持ちの煎茶道具も高価買取をしてもらえる品かもしれません。

まずは、しっかりとした鑑定士のいる買取業者に査定依頼をしてみてください。