2024.02.29

銅器について|世界の高岡銅器

美しい光沢が特徴の富山県高岡市の伝統工芸「高岡銅器」。

銅像や仏像など多くの製品で全国シェア9割以上を占めています。

今回は地元が世界に誇る高岡銅器の魅力をお伝えしましょう(^^)

 

1.銅器とは?

銅器とは、銅を使った道具や器具のこと。ほかの金属類と比べて錆びにくいのが大きな特徴です。

熱が伝わりやすく抗菌・殺菌効果があるため、板前さんなど料理人がよく使っているイメージですが、ほかにも次のようなものがあります。

・火鉢

・銅像

・仏具

・茶道具

・花器

など。変色しやすいためキッチンアイテムとしては馴染みがないかもしれませんが、ちょっと詳しく見ていきましょう。

 

   火鉢

火鉢は昔の暖房器具の代表格。

鎌倉~江戸時代に普及し始め、昭和中期まで使われていたという火鉢。

中に灰を入れ炭火で暖を取る暖房具。その熱を利用して料理を作られていました。

持ち運びやすい一般的な丸い火鉢とは対照的に、引き出しが付けられた長方形の長火鉢には湯を保温する銅壷(どうこ) も備え付けられ居間で重宝されたとか。

また火鉢に入れる灰追加の容器「おとし」や置き囲炉裏(いろり)に使う灰箱なども銅製です。

 

独特の風情が愛されている火鉢は、最近のSDGsやレトロブームで再び注目されてきています。暖房代節約にも良いですね!

※使う時は必ず換気しましょう。

 

   銅像

ブロンズ像とも呼ばれている銅像。実は100%銅で作られることは滅多にありません。

銅のほかに錫(すず)・鉛(なまり)・亜鉛(あえん)などが少量含まれた合金で作られることがほとんど。錫は柔らかく曲がる性質を持っているため、彫刻や研磨などの飾り部分の表現がしやすくなるのだとか。反対に錫の量が少ないと頑丈になります。 

また錫の量が豊富であれば白銀色、少し少ないと黄金色、さらに減ると赤胴色になります。 

さらには湿度や温度、天候などの環境や月日が経つにつれても酸化で(赤褐色・褐色・暗褐色・黒褐色・緑青色)と色が変わると言うからおもしろいですよね!

 

富山県高岡市の大仏寺にある有名な「高岡大仏」もブロンズ像の一種。腐敗や劣化に強い銅だからこそ仏様を作る材料に選ばれるのも納得です(^^)

 

   仏具・茶道具・花器

銅製の仏具・茶道具・花器は今でも多く使われています。

お鈴(おりん)をはじめとする仏具一式や茶釜・風炉(ふろ)薄端(うすはた)など、聞き馴染みがないかもしれませんが、もしかしたらあなたのお家や蔵に眠っているかもしれませんよ(^^)

 

2.伝統工芸「高岡銅器」

伝統工芸「高岡銅器」の歴史や特徴をご存知ですか?

全国シェア90%以上を誇るまでになったその歴史をご紹介します

 

   歴史

●1611年:加賀藩2代目藩主前田利長が高岡城下の繁栄を目指し、7人の鋳造師を高岡市に呼ぶ

●高岡市金屋町に工場を建て、千保川の水と良質な川砂で農具や鍋などの日常品を中心に鋳物作りが発展する

●1830~1848年頃:銅器作りがスタート。錫や青銅などが入ったものも制作され、研磨や着色などの技術も向上する

●江戸時代中期以降:仏具や大仏なども作るようになる

●明治時代:廃刀令で仕事がなくなった刀鍛治の銅器作り参加で高岡銅器産業が発展し、火鉢や花瓶なども製作

●万国博覧会に高岡銅器を多数出品し、 世界でもその名を轟かす

●明治・大正時代:茶道道具や置物作りが栄え、全国で高岡銅器が有名になり贈り物として購入されるようになる

●1975年:日本で初めて伝統的工芸品産地に指定される

●1977年:銅器団地が立ち上がる

 

始まりは江戸時代に高岡に呼ばれた7人の鋳造師だったんですね!ちょっと意外でしたが、400年以上もの後世にもその技と歴史が根付き、全国90%のトップシェアを誇るまでになったのですから、鋳造師たちは「来たかいがあった!」と喜んでいるかもしれませんね。

 

   特徴

高岡銅器は、富山県高岡市周辺で大小問わず作られている銅器。 除夜の鐘や二宮金次郎像などはほとんどが高岡製で、全国の銅像の90%以上を占めています。 

また銅像以外の銅器においても、生産量・販売額のともに国内上位。

しかし生産が多いだけでなく、職人の高い鋳造スキルと研磨・彫金・象嵌(ぞうがん)などの技術には、つい見入ってしまうものがあります。

 

3.銅器のここがおもしろい!

銅器にはいろいろな技法があります。 

知っておくと楽しみ方が分かりますよ♪

   技法

鋳造の技法は主に4つあります。

 

①蝋型(ろうがた)

蜂の巣やハゼの木の実から採れる蝋(ろう)と松脂(まつやに)を一緒に煮て型を作り、土で包んで高温で焼き上げる技法。 溶けた蝋の隙間に金属を入れる工程があり、4つの中で最も繊細で複雑な表現ができる。

 

焼型(やきがた)

粘土と和紙の繊維をミックスした土で鋳型を作り、900°Cの高温で焼いた後、約400°cまで冷却し溶けた金属を流し込む技法。 小ぶりの置物から銅像や仏像など大きなものまで、幅広く使われます。

 

双型(そうがた)

左右対称の金型を回転させた外型に一回り小さい中子(なかご) を合わせてできた隙間に銅を流し込む技法。 

4つの中で1番歴史が古く、茶釜や円形の火鉢などに用いられる。

生型(なまがた)

金属もしくは木製の上下に分割された枠に 濡れた砂を入れ、押し固めて作る技法。 

原型を取り出し、隙間に溶けた金属を流し込みます。 製品をコピーできるので大量生産が可能。

 

彫刻技法

彫刻技法には次のようなものがあります。

●打ち出し:銅板を加熱し、木槌や金槌でたたいて成形する

●透かし彫り:金属の一部分だけ切り、穴を開ける

●象嵌(ぞうがん):彫って金や銀などの別の金属をはめ込む

●毛彫り:タガネで文字や模様を細い線で彫る

 

ひと言に銅器といっても、さまざまな技法があるんですね!

 

   楽しみ方

銅器は新品時の美しさだけではなく、月日を重ねるごとに微妙に変化してくる味わいを楽しみたいもの。 

職人の繊細な技術と相まって、銅器が好きな方ならどれだけ眺めていても飽きないですよね。 

 

日本各地の町おこしのためにアニメキャラクターの銅像が作られていますが、これもほとんどが高岡銅器。 いろいろな技術を駆使して作られていると思うと、見方も変わってきておもしろいかもしれません。

 

4.銅器の買取は骨董買取ラボへ!

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